スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

・モーツアルト漬け

2006年06月19日 06:01

 若い頃は自他共にモーツアルト好きと認める私だったので,今でも嫌いなわけはないが,今年が生誕250年目になるということでモーツアルト一色になっている世の中のあまりの騒がしさに,いささか嫌気がさしている昨今である。

 だから斜に構えて反抗的かつ自虐的に,車に乗れば必ず聞くCDも,最近はモーツアルトを減らしていた。そんな状況にあったが,昨日,全曲モーツアルトのコンサートに行ってきた。そういえば数ヶ月前に妻から誘いを受けて承諾していたのを,一昨日「明日よ」と言われるまで,忘れていたのである。

 ホールは,街中ではなく車で田舎道を30分走った近くの市にあり,座席数700程度で音響効果も悪くない。演奏開始は午後2時。夕方から夜にかけて都心で過ごすことを全く好まない私向きの場所と時間が気に入っていたのである。
オーケストラは,SALZBURG CHAMBER ORCHESTRA で‘モーツアルト生誕250年記念日本公演’と銘打ったもの。指揮者Harald Nerat。名前も初耳だし力量の程も分からないが,ザルツブルクという地名に惹かれたのも否めない。
 プログラムは次のようなもの。
・セレナード第2番ヘ長調 K 101 
・ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K 595 ピアノ:菊池洋子
・ディヴェルティメントニ長調 K 136
・交響曲第40番ト短調 K 550

 K 101 は初めて聞く曲で興味深いが,あとはあまり興が湧かず,演奏のレベルに期待するのみ。あえて言えばピアノ協奏曲が楽しみ。

 この指揮者はどの曲でもどの楽章でも早めのテンポをとる。私は(特に緩徐楽章の)テンポが速いのを好むから,その点の印象はよいが,オーケストラはいささかアンサンブルの精緻さに欠け,ピアノやフォルテのコントラストの不足も耳についた。曲想に表情が乏しいのも気になる。
 ピアノ協奏曲第一楽章の主題には,清冽な涼風がスッーと吹き渡る爽やかさを感じたいのだが,勢いのある雲の塊が通り過ぎるという重さを味わってしまう。終楽章の主題には,研ぎ澄まされ枯淡の境地とも言いたくなる気品を期待したのだが,それも能はず。ピアニストは各地での多数の受賞暦をお持ちだが,元気のよさが目立ちこの曲も相当に直線的に弾きこまれて,もう少し陰影や繊細さが欲しいと思わせる方だった。
 ト短調シンフォニー第一楽章冒頭の第1小節はヴィオラの八分音符の和音連奏ではじまり,とくに最初6つの和音がこのシンフォニーの緊張感を象徴すると私は思っている。私にはこの6つの音がどう聞こえるかが,この曲の演奏の良し悪しの決め手となっている程である。ところが3挺のヴィオラの八分音符の和音連奏は全く聞こえず,3面のチェロと1台のコントラバスの音に飲み込まれてしまった。小さな編成であるから音の力関係からして仕方がないのであろうが,ヴィオラは譜面通りのピアノ(P)でなくPナシで,チェロなどはPPで弾いてもらいたかったなどと,邪な思いにとらわれたのもだった。

 アンコールの最後は,アルペンホルンと弦のパートの競演。モーツアルトの「アルペンホルンと弦楽のための協奏曲ト長調」という別の会場で演奏された曲のどこかの楽章らしいが,楽器の珍しさに加えてこのオケの賑やかさにピッタリの演奏で,本日一番の出来であった。(曲名の部分の修正版ブログをアップ済み)

 これですっかり気をよくして,帰途に着いた。

*************************************************************

《街の光景:錯綜した関係》


〔参加ランキング〕
rankingにほんブログ村 シニア日記ブログへ


最近の記事


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。