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・腑に落ちない消費税増税の話

2010年06月23日 16:13

 菅首相の消費税増税の考え方は,彼の税制改革の方針の一つの重要な要素として位置づけされているのだが,この税制改革全体像の中における個別費目の増税という関係をメディアは正しく理解していないのではないか,そういう疑問を持っている。
 購読している朝日新聞やNHKをはじめとするテレビ業界も消費税増税論議ばかりが表に出しており,しかもこのテーマが参院選の重要争点になっているとのいびつな認識をしているようでもある。22日の日本記者クラブ主催・党首討論会の主要テーマが消費税増税であったことを見れば,メディアをそう評価をするのも,あながち牽強付会とも言えないだろう。

 本筋から離れたこういう一点強調主義的な空気を作り出したのは,菅首相自身である。消費税10%発言が突飛 ( 自民党に擦り寄った!) であり,財政改革の筋道の中での消費税の位置づけをを省略した(或いは,希薄化させた)発言の仕方が,このような誤認識を生み出す原因でもあると私は見る。
 だから,首相自身が消費税像をよく説明して歪んだ消費税イメージを訂正しなければならないと思うのだが,そうする気配は一向に見えない。

 22日,菅内閣は2020年度までの財政健全化策を示した 「財政運営戦略」 を閣議決定をし,政府税制調査会もその戦略実現のための税収力の回復を骨子とした報告書 「財政改革の議論の中間的な整理」 を発表した。
 後者の 「整理」 は,「個人所得課税,法人課税,消費課税,資産課税など税制全般の抜本的な改革を行って支え合う社会の実現費用を広く分かち合う必要がある。」 と報告書冒頭で主張している。
 この考えは,菅首相も財政改革方針の骨子としている考え方 ( 参考情報としてのasahi.com ) にもなっているのだが,これを的確に説明しない菅首相のミスリ-ドだろう。

 去る6月12日朝日新聞朝刊・政策面「新政権 経済政策の課題・下」のインタビューに,政府税調専門家委員会委員長の神野直彦氏が登場した。氏の話の主要点はタイトルの通り「首相は高福祉・高負担の宣言を!」というもの。
 丁度その頃,氏の著作『「分かち合い」の経済学』 (岩波新書) を読んでいた。そこで語られている北欧・ヨーロッパ大陸型社会・経済システムへの指向姿勢に賛意を覚えながらページをめくっていたせいもあろうが,経済・財政政策で神野氏の指南を受けている菅首相の消費税増税の提示方法は氏の説く税制改革の考え方との整合性を (結果として!) やや欠いたものに見えてしまい,私の胃の腑にすんなりと落ちないのだ。
 なぜかといえば,神野氏の財政改革の進め方は上述した政府税調の「整理」冒頭の記述であり,決して消費税増税一辺倒のように解釈されることがあってはならないから。


 二点目の参考資料として,以下に6月11日の朝日新聞記事を引用する。話し手の経歴紹介の部分は省略した。

以下,引用
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《 朝日新聞 6月11日朝刊 掲載記事 》

新政権 経済政策の課題 ・下 『「高福祉・高負担」宣言を』
話し手:東大名誉教授 神野直彦さん

 -菅直人首相が掲げる
「強い経済、強い財政、強い社会保障」は、神野さんが生みの親だそうですね。
 「5月中旬、政府税制調査会長だった菅さんと会長代行の原口一博さんらに説明したときに使った言葉だが、これはいいねと。もともとは、スウェーデン政府の理念。行き詰まった日本を立て直すには、新しい経済社会のビジョンを示さなければならない」
 -日本経済の行き詰まりとは。
 「自民党政権のとき、『上げ潮派』とされる人たちは何を言ってきたか。減税すれば経済は活性化し、税収が上がって財政もよくなる。成長のおこぼれで格差も解消されるだろうと。だが、実際はどうなったのか。減税しても成長率は低く、国民生活に豊かさをもたらさず、賃金は低くなった。一方、経済のグローバル化が進み、リーマン・ショック、ギリシャ危機と津波が押し寄せている。こうした負の連鎖を、正の連鎖に変えていかなければならない」
 -しかし、増税しても経済成長できるというのはわかりにくくありませんか。
 「税負担の水準と経済成長率は、関係ない。スウェーデンのように税負担は高くても成長する国もあれば、金融危機前の米国のように税負担が低くても成長率が高い国もある。一方で、日本は税負担は低いけれど、成長もしていない」
 「ポイントは、産業構造を変えて、『新しい福祉』をつくることだ。デンマークでは重厚長大の既存産業にいつまでも人がへばりついていたら国際競争に勝てないので、解雇をしやすい制度に改めた。その代わり、新しい仕事にチャレンジして失敗しても、安全ネットで支え、また挑むことができるように手厚く寛大な社会保障制度を作った。トランポリンのようなイメージだ。こうして情報通信など知識集約型の産業に転換した。新しい福祉とは『生活保障』と、新しい産業に挑戦するための『活動保障』をセットで提供することだ」
 -そのためには、強い財政の裏付けが必要だと。
 「これまで減税を繰り返した結果、日本の財政状況はぼろぼろになってしまった。しかも、日本は政府に対する国民の信頼感もめちゃくちゃ低い。だが、世論調査などをみると、高負担でも高福祉がいいという人が6割近くいる。税制とは、社会全体で必要な費用をみなでどう支え合っていくかを決めるもの。首相も慎重にならず、スウェーデンのような高福祉・高負担の社会をめざす、と言ってもいいのではないか」
 -首相は、政策の優先順位づけで、経済成長や雇用創出を基準にする考えです。
 「軸としてもうひとつ入れるべきなのは社会的正義。言い換えれば、格差是正や所得の平等な分配の観点だ。成長しても失業や貧困であふれていては意味がない。税制についても消費税の増税論議ばかりが注目されるが、所得税や資産課税を含めて、新しい社会を支える税体系のあり方を考えるべきだ」
(聞き手・伊藤裕香子)
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引用ここまで。

《Walking写真1 : パンチの効かない政治漫画風に。「崩壊しかかった傾斜地を必死に支える。」》


《Walking写真2 : パンチの効かない政治漫画風に。 「長~い登りの坂道を進んで行かなくては,
向うに着かない。」》


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